教育評価における加算的評価と「加算テスト」の提案 ― AIへの加算的評価と人間への減算的評価の非対称性から、新しい思考と「思考戦略」の 生成へ ―
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教育評価における加算的評価と「加算テスト」の提案 ― AIへの加算的評価と人間への減算的評価の非対称性から、新しい思考と「思考戦略」の 生成へ ― 著者:新関 昌続(Masatsugu Niizeki) 教育理論家 2026年8月14日 摘要(Abstract) 本稿は、生成AIに対する人間の評価と、人間に対する人間の評価との間に存在する非対称性を出発点として、教育評価における新たな評価形式「加算テスト」を提案するものである。本稿の発端となったのは、生成AIに対して人間は、「文章を書くことができた」「大量の情報を整理できた」「新しい視点を提示した」など、新たな能力を見いだすたびに評価を加算していく一方、人間に対しては、あらかじめ期待された完成状態を置き、「これができなかった」「ここを間違えた」「期待した水準に達しなかった」と減算する形で評価する傾向があるのではないか、という問題意識であった。この非対称性について議論する中から、「AIに対して自然に行っている加算的な評価を、人間、とりわけ子どもの評価にも適用したらどうなるのか。」という問いが生じた。ここから、本稿における「加算テスト」の着想が生まれた。当初、知識には一定の範囲が存在するため、知識を対象とした真の加算テストは成立しないのではないかと考えられた。しかし、「知っていることを全部挙げてください。」という開放型の問いを設定することで、教師があらかじめ正解集合の総数や100点という上限を設定しない知識評価が可能になるのではないかという発想が生じた。さらに、この加算テストについて議論を進めると、単なる知識量測定を超える可能性が見えてきた。得点を増やそうとする学習者は、さらに考えなければならない。通常のカテゴリー内の知識を出し尽くせば、別カテゴリーへの移動、連想、自己経験との接続、さらには問題そのもののフレーム転換が必要になる。発散的思考については、単一の問いから複数の可能性を生成する能力として長く研究されており、流暢性、柔軟性、独創性などが主要な評価観点として扱われてきた [1][2]。またPISA 2022のCreative Thinking Assessmentでも、多様なアイデアの生成、創造的アイデアの生成、アイデアの評価・改善が評価対象となっている [3][4]。しかし本稿の「加算テスト」は、発散的思考そのものを測定することだけを目的としない。「もっと点を取りたい。だから、もっと考える。もっと考えるために見方を変える。そして、新しい思考を作る。」という評価構造そのものを教育へ導入することを提案する。さらに、新しい答えを生み出そうとする反復の中から、「どうすれば、自分は次の考えを生み出せるのか。」という思考戦略そのものが生成される可能性を、本稿では新たな教育的仮説として提示する。



